世界名作劇場5作目にあたるアニメ『赤毛のアン』の『個人的な評価』『簡単なあらすじ』をご紹介いたします。

『赤毛のアン』の評価
ストーリー ★★★★★
★★★★★
音楽 ★★★★★
健全さ ★★★★★
総合評価 20点
当ブログでは『健全なアニメ作品』を中心に紹介しています。『暴力的』『性的』であると判断できる作品は『健全さ』で表していますのでご注意ください。

簡単なあらすじ

アニメ「赤毛のアン」は、アンが11歳から16歳になるまでの物語。孤児院にいたアンを60歳前後の年老いた兄妹(マシューとマリラ)が引き取ることに。この兄妹はどちらも結婚しておらず子供がいません。

アンは空想好きの夢見がちな少女。色々な騒動を巻き起こしてしまいます。それでも、明るくて楽しいアンの周りにはたくさんの友達が集まってきます。
アンは「赤毛」であることに強いコンプレックスを持っています。(西洋では赤毛は侮辱されてしまう風習がある) 学校で2つ年上の「ギルバート」に赤毛をからかわれ大激怒。以降、アンは最終回までギルバートと和解しません。

最初の3年間は「アンの日常」といった感じでアンの生活や成長を見守ることに。14~15歳は「クィーン学園に入学するための受験勉強」、15~16歳は「クィーン学院」の物語。

優秀なアンはエイブリー奨学金の権利を獲得し無償で大学に進学できることになったのですが・・・・・アンの家族に大変な出来事が。そのことで、アンは大きな決断をすることになります。

ブログ主の感想

私はアニメ「赤毛のアン」を「アニメ史に残る最高傑作の一つ」であると評価しています。

1979年作品であるため、近年の作品に慣れている人が見れば「古臭い」と感じるかもしれません。
しかし、表現している世界観も、キャラクターも、今の時代のアニメではありえないくらいに丁寧に描かれています。BGM(作中に使われる曲)も素晴らしく、作品を気分良く楽しむことができます。

序盤はちょっとグダグダ長すぎると思います。なかなかストーリーが進まず、どういう方向性で行くのかがわからないため、初めて視聴する方は苦痛に感じるかもしれません。その点が唯一の欠点だと思います。

しかし、この作品はストーリーが進めば進むほど、どんどん面白くなっていきます。当ブログ主は年に1回は必ず全50話を視聴しているってくらいに楽しんでいます。

全体的なストーリー

アニメ「赤毛のアン」は全50話で、アン11歳~16歳までの内容を描いています。ここではその内容を、極力わかりやすく、極力シンプルにご紹介したいと思います。

【01~06話】1年目の春、アン11歳
・孤児の主人公「アン・シャーリー(少女11歳)」
・カナダのプリンスエドワード島の「カスバート家」で引き取られることに
・「カスバード家」には60歳前後の兄と妹がいる。どちらも結婚していない。本当は男の子を希望していたが、間違って女の子のアンが来てしまう。

【09~10話】
・近くに住む「ダイアナ(11歳)」と友達(心の友)になる

【13~14話】秋
・アン、秋から学校に行き始める
・2歳年上の「ギルバート」に赤毛をからかわれ大激怒。先生ともトラブルになり、アンは学校に行かなくなる。

【16~18話】秋ー冬
・ダイアナをお茶に招待するも、間違えて「お酒」を飲ませてしまう。ダイアナの母親は大激怒。ダイアナはアンと遊ぶことを禁止されてしまう。
・アンはダイアナに合うため学校に戻る
・冬、ダイアナの妹「ミニーメイ(4歳?)」が喉頭炎に。アンは知識があったため医者が来るまで看病し危機的状況を回避。医者はダイアナの母親に「アンがいなければ間に合わなかっただろう」と告げる。これをきっかけに、アンの誤解がとけ、ダイアナと会って良いことになる。

【20話】2年目の春、アン12歳
・アンがグリーンゲーブルズにやってきて1年たつ

【21~23話】
・新しい牧師夫妻が村にやってくる

【24~25話】夏ー秋
・学校の友達と「命令ごっこ」で遊び、アンは屋根から落ちて足を大怪我、しばらく学校に行けなくなる。
・新しい先生が学校にやってくる

【29話】3年目の春、アン13歳
・アン、仲の良い友達と「物語クラブ」をつくり、自分たちで小説をつくる

【31話】夏
・アンとその仲間たちは「物語クラブの活動」として川で「小船」に乗って遊ぶも、アンが乗っていた「小舟」が沈んでしまうというアクシデント。溺れてしまいそうになるも、喧嘩で不仲になっている「ギルバート」に助けてもらう。ギルバートはアンに「過去の過ちの和解」を持ちかけるも、アンは断固拒否。以降、最終回までギルバートはアンに話しかけることはしない。

【32~34話】秋
・アンは「クィーン学院」に進学する決意をする
・心の友である「ダイアナ」も一緒だと思っていたのに、ダイアナはクィーンを目指さないとアンに告げる。

【35~36話】3年目の夏、アン14歳
・「物語クラブ」のみんなは受験勉強が気になってクラブに集中できません。話し合いで、解散することに。アンにとっては子供時代の終わりを告げる出来事であるように感じる。

【37話】4年目の春、アン15歳
・身長が伸び、見た目も大人びてくる

【38~40話】夏
・クィーン学院を受験する
・アンはギルバートと同点で「首席」で合格する

【42~45話】秋~5年目の春、アン16歳
・遠方のクィーン学院に入学し、下宿生活が始まる。
・週に一度家に帰っていたものの、冬以降は勉強に専念するため帰らず
・最終試験、首席卒業はギルバート、アンは「エイブリー奨学金」の権利を獲得。無償で4年間大学に通うことができるようになる。

【46~50話】夏
・秋から4年間大学に行くことになるも、年老いたマシューとマリラを置いていくことが気がかり
・事件が起こる。お金を全て預けていた銀行が破産。新聞でそれを知ったマシューはショックで心臓発作。ほぼ即死であった。
・カスバート家は、一家の大黒柱を失い、多くの財産も失う。
・元々「眼」が悪かったマリラは、医者から「このままでは失明の可能性がある」と告げられ失意のどん底に。
・アンは大学に行くことを諦め、マリラを支えながら、学校の先生をやる決意をする
・「ギルバート」はアンのため、自分が獲得していた「地元の先生の権利」を放棄し、アンに譲る。そして自分は遠方の学校の先生に。これがきっかけとなり、アンとギルバートは和解する。

大まかにこのようなストーリーとなります。

最終回のストーリー

この作品の見どころは、やはり終盤の「46~50話」でしょうか。

◆マシューの死

いつもアンの味方になってくれていた「マシュー」の死は突然でした。アンとマリラが悲しむ話しは涙無しでは見ることができません。マシューの死をどのように受け止めればいいのか思い悩むストーリーの描き方も見事でした。

◆マリラは眼が見えなくなるかも

長年、頭痛持ちで眼が悪かったマリラは「名医」と呼ばれる先生に診てもら事になります。すると、先生は「このままでは失明するかもしれない」と。眼を使う作業をすべて禁止され、マリラは失意のどん底に。

◆マリラは家と土地を手放す決意をする

「マシューの死」「銀行破綻で財産を失う」「借金が残っている」「マリラの眼は失明の可能性がある」
絶望的な状況となったマリラは、今後のことを考え「家と土地を手放す」ことを決意する。

◆アンは大学に行くことを諦める

「赤毛のアン」は「アンが大学に行くことを諦める」ことで話が終わります。内容を知らない人がこのように聞くと「なんのこっちゃ?」と思うかもしれませんね。

アンにとって「大学に進学すること」はとても重要なことでした。そのためにクィーン学院で勉強を頑張り「エイブリー奨学金」の権利まで獲得したのですから。それを諦めるということは簡単なことではありません。それでもアンは大学に行くことを諦めます。

終盤のストーリーの描き方は本当に見事です。美しく、感動的に描かれています。なかなかない完璧な終わり方ですね。ぜひ皆さんにも視聴していただきたいものです。

あとがき

小説は10巻まである

「赤毛のアン」は小説では10巻まであります。10巻の中の「第1巻」が「赤毛のアン」ということですね。2巻は「アンの青春」、3巻は「アンの愛情」・・・・・という具合に10巻まで続いていくことになります。

私は3巻までしか読んでいません。そこまでは面白かったですが、どうも4巻以降はグダグダしてそうな気がしたもので。
小説好きの母に読んでもらったのですが、やはり4巻以降はダメっぽいですね。アンが主人公ではなく、サブキャラみたいに描かれて面白く無かったと、母は言ってました。「赤毛のアン」というよりも「おまけのアン」という感じになってしまうそうです。

確かアンが70歳くらいになるまでストーリーがあるんだったかな? 興味があるかたは小説のほうも読んでみてください。

不遇なキャラ「ギルバート」

アンは将来的に2歳年上の「ギルバート」と結婚することになります。

しかし・・・・・アンはギルバートに「赤毛」をからかわれたことで大激怒。なんと「11歳の秋」にケンカして、和解できたのが作品のラストになる「16歳の夏」になります。実に5年間もケンカしていたことになりますね。

ま~、ケンカというよりも「アンが一方的に嫌っていた」という感じですが。ギルバートは最初からアンのことが好きだったようで「仲良くなりたかったからちょっとからかってみた」というのが本音だったようです。が、このような最悪な事態に。

アニメの方では「このままアンとギルバートは結婚するのかな?」という終わり方になっていますが・・・・・ギルバートの試練はまだまだ続きます。

第2巻では「アンの一番の男友達」という権利を獲得しますが、ギルバート自身は「絶対にアンは自分の愛を受け入れてくれないだろうな・・・・・」という確信を持っています。

第3巻の大学生活編では「アンに告白するもこっぴどくフラれる」「アンが別の男と付き合い始める」という地獄を経験することになります。ま~、最終的にはアンとギルバートは上手くいくのですが、アンの理解しがたい乙女心に翻弄され続けるって感じになるんですよね、ギルバートは。

こういった内容をおそらく知っているのでしょうね。アニメ制作にかかわっていた「宮崎駿」は「アンは嫌い」と言って15話くらいで別のアニメの方に言ってしまったと聞きます。ま~、気持ちはわかります。