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【モコモコ道】魔熊との戦闘

第09話目次第11話

■【ムスイ15歳】魔熊、作戦会議

ムスイは15歳に成長し、村の運営も上手くいっていた。
そこへ再び大事件が起こった。
森の支配者と言われる「魔熊」が村の近くに現れたのだ。

男たちは村長の家に集まった。

「今度は魔熊ですか・・・・・。」
「うむ、森の支配者という異名を持つ恐ろしい魔物じゃ」
「ギルドに依頼すると金貨100枚か~・・・・・」
「ああ、一体どうすればいいのか・・・・・(チラッチラッ」

村のみんなが私の方をチラチラ見ている。
私に頼る気満々だ。

「わかりました、わかりましたよ。私が倒しますよ」
「おお、やってくれるか、ムスイ君!」
「さすがムスイ君だ、頼りになるな~!」
「今夜はキャンプファイヤーと洒落こもうじゃないか!」

まったく、仕方のない人たちだ。
というか、どうして絶対に勝てると思っているのだろうか。
森の支配者と言われるくらいだから、メチャクチャ強いんじゃないの?

外に出ると、モコモコが私に向かって飛びついてくる。

「ムスイ~、やめて~!」

担いだ。

「イヤ~!(ジタバタ)」

私も行きたくないのだがな~。
でも、やるしかない!

■魔熊はヤバすぎた

魔熊の足跡を探す。
このあたりと聞いたが・・・・・、お、これか。
って、ええ? これ? ちょっと大きくないですか?
足の横幅が30cmほど?
えげつなくないですか~? ええ~?
さすがに、これはビビる。

足跡をたどっていくと・・・・・いた。
あ、あれが魔熊か~・・・・・・。
ヤバイ。これはヤバイ。マジでヤバい。
4mはありそうだ・・・・・。

ヤバイ、魔熊が私に気づいた。
この剣で勝てるのか? いや、無理だ。
無傷で勝てるイメージができない。

「グルルルル・・・・・」

魔熊が余裕で近づいて来る。
勝ちを確信しているかのようだ。
これは無理だ。絶対無理だ。
私は・・・・・全力で走って逃げた。

「グオオオオ~!!」
「うわ~!!」

速い! 速い! 速すぎる!
こんなにデカいのに何で速いんだ~!
脚には自信があったが、コイツも凄い!
いかん、村の方向に逃げるのはダメだ。
村にやって来られても困る。別方向から逃げないと。
私は全速力で走り続けた。
そして、何とか逃げ切ることに成功した。

■どうやって魔熊を倒せばいい?

家に帰ると、モコモコと父さん、母さんの3人が待っていた。
モコモコが私の方に駆け寄ってくる。

「ムスイ、大丈夫だった? 怪我しなかった?」
「あら? 魔熊の肉は? 解体の準備はできているんだけど?」(母)
「いや・・・・・、とても勝てそうになかったから逃げてきたよ」
「怪我が無かったのなら良かったよ(ニッコリ)」
「いやいや、どうするんだムスイ?
村のみんなは焼肉パーティーの準備をしているぞ?」(父)

クソッ、他人事だと思って。
とりあえず落ち着こう。
モコモコを担いだ。

「ええ~! 何で~!(ジタバタ)」

私は家の中にある「赤いヒモ」を数本と、長い「縄」を用意した。
そして、モコモコを地面に下ろす。

「倒す策はある。必ず何とかするから大丈夫」

そう言って、私はモコモコの頭をなでる。
そして、私は道具を持ち、家を出た。
モコモコと両親は玄関で見送った。

「気を付けてね~!」
「肉を待ってるわ~!」
「父さんの剣があれば必ず勝てるぞ~!」

3人は家の中に入っていった。

「ふぅ、ムスイ、大丈夫かな・・・・・」
「茶菓子でも食べてまってれば、何事も無かったかのように帰って来るさ」
「あら、これってムスイの剣じゃない?」
「ん? ああ、確かにムスイの剣だな」
「え? おじさん、それってどういうこと?」

しばらく、沈黙が流れた。

「武器を持っていくのを忘れたんだろうな」
「それじゃあ、ムスイはどうやって戦うの?」
「・・・・・(父)」
「・・・・・(母)」
「・・・・・う、うわ~ん! 武器を届けにいく~!(号泣)」

モコモコは泣きながらムスイの剣を抱いて外に飛び出そうとする。
それを父さんと母さんが羽交い絞めにして必死に止める。

「お、落ち着いて! モコちゃんが行くのは危険だ!」
「ムスイなら必ず逃げ帰って来るわよ!」

■魔熊戦、第2ラウンド

私は「とある地点の木」にヒモを結ぶ。
そして、紐の先端に紐の先端に30cmほどの枝を取り付ける。
後は場所がわからなくならないよう、幾つかの木に赤いヒモを結んで目印にした。

「よし、これでいい。
後は魔熊をここに誘い込むだけだ」

魔熊を探した。
いた。相変わらずでかいな。
さっきの恐怖を思い出し、身震いする。

魔熊も私に気づいた。
そして、今度こそは逃がさんぞとばかりに私に向かってくる。

「なんて凶暴な奴だ!」

私は全力で逃げだした。
そして、さっき仕掛けを作った場所を探す。
赤い目印、赤い目印は・・・・・あった!
私は勢いよく走り、印をつけていた木の枝をつかみ、その先へと飛び出した。
そこは・・・・・崖だった。
ムスイはヒモで結ばれているため、大きく回転して木と反対の崖に戻ってきた。
追ってきた魔熊は・・・・・足元が無い!?
崖の下へと転落していった。

「ふ~・・・・・さすがに生きてはいないだろう」

私は崖の下に降りた。
倒れて動かなくなった魔熊がそこにいた。

「この爪、凄いな~」

私は倒れている魔熊をつっついてみた。
まったく動かない。どうやら死んだようだ。
私は魔熊を引きずって村へと向かう。

「お、重すぎるやろ・・・・・」

かなり苦労して村に運んだ。

■キャンプファイヤー

村の皆は肉を調理し、焼肉をしながらお酒を飲んでいる。
とても楽しそうだ。
私はそれを少し離れた場所から座ってみている。

そこへモコモコがやってきた。

「お疲れ様」
「ああ」
「みんな酷いよね。危ないことをみんなムスイにやらせて」
「戦える人がいないからね。仕方がない」
「でも・・・・・」

モコモコは不満そうだ。

第09話目次第11話

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