「ム、ムスイさん、大変な人生でしたね・・・・・」
「・・・・・ああ、女神さまですか
いつもいつもご迷惑をおかけして申し訳ありませんね」
なんかも~、やる気が出なかった。
「あ、あまりですね、一人の女性に執着しすぎるのもどうかと思いますよ」
「・・・・・・・・・」
私は返事をする気にもなれなかった。
「世の中にはたくさんの女性がいます。
女性が好きなら、たくさんの方とお付き合いをしてですね
見分を広げていくのが大事なことだと思うんですよ」
「・・・・・女神様」
「は、はい」
「モコモコよりも魅力的な女性などいません」
「・・・・・(汗)」
女神さまは困っている御様子だった。
いつまでも落ち込んではいられない。
「また、赤ん坊に戻って人生をやり直せるんですか?」
「も、もちろんですよ」
「わかりました、次こそは必ず」
「モコモコさんもですね、素敵な女性だと思うんですけどね
あ、あの、ムスイさん? 聞いていますか?」
「わかりましたから、早く赤ちゃんに転生させてください」
「は、はい・・・・・」
・
・
・
女神は魔王の元へと戻ってきた。
「ムスイさんは大丈夫でしょうか?」
「駄目だろうな。
まさか神が人間の女にここまで執着するとは思わなかった」
「ありえないことなのですか?」
「ああ、ありえないことだ」
「・・・・・」
女神はまさか魔王が断言するとは思っていなかったため
返事をすることができなかった。
「この世界が人間と魔族の二大勢力だというのは知っているな」
「はい」
「このままでは、勢力バランスが大きく崩れる」
● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇
「ムスイ、お父さんだよ~」
「お母さんよ~」
そして、世界はリセットされ
ムスイにとって異世界3度目の生がはじまる・・・・・。
本当は、本当は、私の苦しむ姿を見たかっただけなんじゃないんですか?
おかしいと思ったんですよ、死んだのに赤ちゃん時代に戻れるとかありえないじゃないですか。
しかも期待させるだけさせておいて、
赤ちゃんに戻ったら村が違うし、モコモコにだっていないじゃないですか
女神さま言いましたよね? 前回モコモコに会えると言いましたよね?
そりゃ会えましたよ。死ぬ気で頑張って会いに行きましたよ。15年もお預けくらってね。
でも、私はモコモコに嫌われたんですよ。最低ランクに軽蔑されたんですよ。
そりゃ私の対応が悪かったからというのはわかりますよ。
すべて私が悪かったと言えなくも無いですよ。
でも、15年もお預けくらってたんですよ?
会いたいのを我慢に我慢を重ねてきたのですから、冷静さを失うでしょう。
誰だってああなるでしょう。
女神様、本当はわかってたんじゃないですか?
私がああなるってわかってたんじゃないんですか?
ああ、なると計算したうえで、私を赤ん坊に戻して
違う村にするといういけずをしたんじゃないんですか?
ええ? そうでしょう? そうなんでしょう? 正直に言いなさいよ!
私を手のひらの上で弄んで楽しかったですか? 素晴らしい計画的犯行ですね!!
「い、いえ、決してそう言うわけでは・・・・・」
わかりましたよ。私を苦しめたいんでしょ? とっとと地獄に落とせばいいじゃないですか。
地獄の業火で焼かれ、断末魔を上げる私を見て、楽しめばいいじゃないですか
苦しみ、もがき、泣き叫ぶ惨めな私の姿を見て、悦に浸ればいいじゃないですか
知りませんよ、女神さまの性癖なんか
さあ、やってください!
女神さまの快楽の赴くままに!うわああああ~!
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