■二度目の転生、モコモコがいない
う~む・・・・・まさかまた赤ん坊時代をやり直すことになるとは。
父さんと母さんも若返ったな。
いや、それよりも早くモコモコに会いたい。
私が生涯をかけて幸せにすると誓った妻だ。
にもかかわらず、あんなに悲しませてしまった・・・・・。
(思い出:涙を流すモコモコ)
絶対にあってはならないことだ。
今回の生では必ずモコモコを幸せにする。
前回の生よりもはるかに幸せにして見せる。
私はそう、心に誓った。
~~~~~~~~~~
一週間後、私は歩けるようになった。
前回の生では一ヶ月かかったような気がするのだが。
二度目ともなるとパワーアップするのかもしれない。
この世界は本当にわけわからん。
半分怖くも感じる。
ま~、そんなことはどうでもいい。
今はモコモコに会いたい。
私はよろめきながらも、外に出た。
「・・・・・え? ここ・・・・・どこ・・・・・?」
私の知っている景色ではない。
なんだ? どうなっているんだ? まったく意味が分からない。
すぐにでもモコモコに会えると思っていたのに。
これは一体どういうことなのか!?
「モコモコとすぐに会えると言ったのに・・・・・
あんの女神・・・・・」
見上げた空には
ニタニタ笑いながら私を見下す女神がいる、ような気がした。
■モコモコがいるアンス村は遥か300km先に
転生し生まれたばかりの赤ん坊だったムスイは、
一週間で立ち上がることができるようになった。
やっと赤ん坊のモコモコと再会できる、そう信じていたのだが・・・・・、
家の外は私の知っている景色と違っていた。ここは別の村だ。
一体どういうことなのか・・・・・。
愛する妻と再会できないという衝撃は
次第に怒りへと変わっていった。
私は両親に詰め寄った。
「父さん! 母さん! ここは一体どこなんだ!
アンス村はどこにあるんだよ!」
生まれて一週間の自分の赤ん坊が、もう立ち上がって
しかも普通に話している。両親は困惑した。
「ム、ムスイ・・・・・いつから喋れるようになったんだ?」
「も、もう歩けるのね・・・・・・。すごいわ・・・・・。」
両親はかなり動揺しているが、必死に平静を装っている。
「そんなことはどうでもいいんだよ!
ここがどこなのか教えてくれ!」
両親は顔を引きつらせながらも、地図を用意して教えてくれた。
ここはペース村だった。そして、アンス村は、ココ。
距離にして約300kmも離れている。
いや、距離よりも問題なのは、間に魔物が生息する地域があるということだ。
アンス村にいくのはほとんど不可能な状況。
私は絶望した。
いや、絶望している暇などない。
私のモコモコへの愛は本物だ。
例え神が私とモコモコを引き裂いたとしても
私は必ずたどり着いて見せる! モコモコの元へ!
私はそう熱く心に誓った。
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